2017年10月30日月曜日

【再要請&政府回答報告】「経済連携協定などに関する情報公開要求」政府面談を受けて

【再要請&政府回答報告】「経済連携協定などに関する情報公開要求」政府面談を受けて



2017年8月、「経済連携協定」などに係る情報公開についての要請し、その回答として書面及び、2017年9月6日に実施した政府面談を実施いたしました。
(その報告はこちらから→http://tpp-dialogue.blogspot.jp/2017/09/201796.html

面談等の結果を踏まえ、明確かつ納得のゆく回答がなかった点について、2017年10月再質問を政府に送付し、政府回答(末尾参照)がありました。

政府回答が簡潔な回答にとどまったことは非常に残念です。
しかし、8月当初の私たちの要請に対し、書面での回答を実質的に初めて得たこと、及び各省庁にまたがっての面談についても、的確に対応いただきました。これらは市民側の要請への対応及び情報公開の政府の姿勢が前進していると理解し、歓迎したいと思います。

また、末尾の、「いただいた御意見を真摯に受け止め,皆様の要請にお応えできるよう,今後とも可能な限りの情報提供を行い,より一層丁寧な説明に努める」
という政府回答通りになっているか、今後も注視していきたいと思います。

以下、私たちからの再要請・再質問および、政府回答について、報告いたします。

「経済連携協定」などに係る情報公開についての要請
-9月6日面談を受けての再要請・再質問など-


(1)情報公開に係る内容
①情報公開の一般的立ち位置とそれに伴う情報公開の実情について説明を受けたが、公開された情報は量的にも質的にも主要国に比べ充分とは言えない。引き続き改善を求めるとともに、今後の対応策について回答願いたい。

併せて、記者会見などにおける説明や情報開示についてもウェッブサイトでの開示を要請する。

要請文書への賛同団体の構成員は300万人超ほどになり、業界団体の規模にも匹敵する利害関係者であることを認識いただきたい。


②特に交渉中の協定については、情報公開は実質的に皆無に等しいが、最大限公開されるよう要請する。また、従来通りの対応が適当であるとされる場合は、以下の見解も踏まえた上で、その理由を明らかにするよう要請する。

「交渉相手国との信頼関係を損ねる」こと、「交渉の手の内を相手に晒すことになる」こと、「並行する他の通商交渉に影響を与える」ことなどが理由とされている。
いずれも、交渉官にとっての技術的問題であり、交渉を通じて大きな信頼関係が築かれていれば、克服されて然るべきと考える。

従来も、結果的には事実であった報道内容が交渉に影響を与えた事実は見られないと推察する。特に、日本が提案した内容は既に交渉相手には公表されたものであり、知らないのは市民・立法府の議員だけというのは奇妙としか言いようがない。

また、情報化社会においては、他の通商交渉の相手国であっても大凡の流れは把握している筈であり、大切なのは大きな戦略と確信である。

通商交渉は“交渉官のもの”である以上に“市民のもの”である。そこにおいて発生する手間・時間は“民主主義のコスト”と考えるべきで、あくまで“公開を原則”とすべきと考える。


③日EU・EPAにおいて“間断なく五月雨的にビデオ会議や頻繁な交渉官の往来などで交渉が進み、会合の都度適宜情報を公開するに至らなかった”こと、TPP11は“交渉と言う位置付けではないので、一定まとまった段階で説明をする”意向などが、交渉の都度情報を公開しなかったことの説明とされた。

しかし重要かつ市民の関心の高いメガFTAであり、米国やEUのように立法府の付託を直接受けないままの交渉であるだけに、説明責任を充分に認識すべきと考える。

ビデオ会議であっても、一定の議事録・メモに基づき責任ある交渉進捗の説明が明らかにされることを要請する。

影響試算も我々の大きな関心事、特に影響を受ける農家などの事業者にとっては、将来の事業展開、投資判断に係る問題であり、速やかな公表を求めたい。

具体的には、①基本合意あるいは最終合意後、遅くとも国会審議開始以前の段階で速やかに作成し、公表すること、②「政府対策の効果」を含むことなく、通商協定の直接的な影響試算とすること、③個別の通商協定だけでなく、並行して進行中の複数の協定を包括した影響試算を作成、公表すること、を要請する。

⑤合意された協定の内容については速やかに日本語への翻訳と公表と共に、他国の留保措置、他国が締結・交換した特定国との追加交渉などの日本と他国との明示的違いに係る附属書など、その他重要と判断される英文文書は、日本語への翻訳を実施し公表されたい。

これは、合意内容を幅広く評価するためにも、また市民による、あるいは国会の場での掘り下げた議論を可能にするためにも必要と考える。


(2)市民参加の説明会開催に係る内容
市民参加の説明会については、政府主催、自治体あるいは市民の要請によるもの、また調整中のもの、いずれもその主催の形態も明確にした上で、所管官庁のウェッブサイトで公表するとともに、併せて報道機関を通じた公表もするよう要請する。

これは「丁寧な説明と幅広く意見聴取する」ことの本気度に係るものである。

②市民参加の説明会については、市民団体から要請のあった場合も含め、可能な限り実施するとの回答をいただき、そのことについては大いに評価するものである。

しかし、TPPで実施されたように、協定交渉の都度、市民参加の説明会を、交渉の行われる海外を含め、可能な限り各地域で開催すると共に、幅広く意見聴取を行うことを再度要請したい。

現在進められている協定交渉、日米経済対話については、RCEP神戸会合での例外的対応を除き、TPPでのような交渉の都度開催される説明会は実質的に皆無である。


(3)国会での審議に係る内容
①TPP11についても他の通商協定と同様、国会での丁寧な審議と承認手続きとを再度要請する。

9月6日の面談、また9月13日の参議院議員会館での政府説明と対話において、国会承認の手続きの採り方、有無については「大平3原則に即して判断することになる」との回答がなされている。

しかし3原則の内容は、条約批准の国会承認についての要不要を決めるに相応しい明確さと、権威を有するものではない。恣意的な解釈と利用への道とされることを懸念するものである。

報道される各国からの要望や協議の実態などから推察すれば、当然国会承認を必要とする条約であると考える。

以上


参考:8月10日付の政府への要請内容(概要)
・日米経済対話を含む全ての経済連携協定並びにそれに準ずる通商協定の内容及び交渉経
過を所管官庁のウェッブサイトで公開
・上記に関する市民参加の説明会を、交渉の行われる海外を含め可能な限り各地域で開催すると共に幅広く意見聴取を行うこと
・交渉内容・経過についての国会での慎重かつ丁寧な審議を保障


文責:「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」

※再要請全文はこちらから

<再要請・再質問 ここまで>

2017年9月29日金曜日

【面談報告】2017/9/6実施「経済連携協定などに関する情報公開要求」政府面談

【面談報告】2017/9/6実施「経済連携協定などに関する情報公開要求」政府面談


私たち「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」は、2017年8月10日、河野外務大臣、茂木内閣府TPP担当大臣宛に、「経済連携協定などに関する情報公開要求」に関する要請を行いました。9月6日外務省にて、外務省経済連携課及び欧州連合経済室・内閣官房TPP対策本部と、賛同団体と共に面談し回答を得ましたので、以下報告します。

※今報告は再整理しているため、発言の順序は実際と異なります。また、面談内容の報告であり、時間の都合上議論を深めることができなかった内容も含まれます。後日、議論を深められたものについては、随時掲載いたします。



要請にかかる外務省及び内閣官房との面談報告

日時:2017年9月6日14:00~(約1時間半)
場所:外務省北庁舎6階611会議室

■政府側参加者
外務省 大河内経済連携課長及び大塚欧州連合経済室長,
内閣官房TPP対策本部 中島企画官及び春山主査

■市民側面談参加者
フォーラム平和・人権・環境、緑の党グリーンズジャパン、農民連2名、全国実行委員会3名



1.「経済連携協定などに関する情報公開要求」に関する要請について

全国実行委員会より、今回面談の経緯及び要請の概要・ポイントについて説明を行った。

<経緯>
我々は2012年以降「TPP交渉の情報公開・市民参加・透明性」を要請し、政府と対話をしてきた。TPP後の日本が係る全ての通商交渉に対しても、同様の内容を賛同団体と共に以下要請する。

<今回の要請内容>
要請全文はこちらから→ http://tpp-dialogue.blogspot.jp/2017/06/blog-post.html

①日米経済対話を含む全ての経済連携協定並びにそれに準ずる通商協定の内容及び交渉経過を所管官庁のウェッブサイトで公開すること

②上記に関する市民参加の説明会を、交渉の行われる海外を含め可能な限り各地域で開催すると共に幅広く意見聴取を行うこと

③併せて交渉内容・経過についての国会での慎重かつ丁寧な審議を保障すること



2.外務省及びTPP政府対策本部から、今回要請への回答

<外務省及びTPP政府対策本部からの書面回答ポイント>

全文データ(4P)はこちらから
→ https://drive.google.com/file/d/0B_MhgdFB8xzEMzZKdmVpOUhpZXc/view?usp=sharing

①ウェブサイト等への情報公開について
・日米経済対話の概要や関連文書を外務省のホームページに公表。
・経済連携協定は、これまで発効・署名済みの協定の内容、交渉中の協定についても、交渉経緯を含めて可能な限りの情報を掲載。
・TPPは計4000ページ以上の資料を内閣官房のホームページに掲載。
・外交交渉の経緯を開示することは、類似の交渉における我が国の手の内をさらしてしまうこと、相手側との信頼関係を損なうおそれがあること等から自ずと公開できる情報の内容や範囲に制約がある。しかし,説明責任はしっかり果たしていきたい。

②市民参加の説明会と意見聴取の実施
・TPPは大筋合意後、全国で約300回の説明会を実施。
・全国各地の地方経済産業局や、農政局、税関、ジェトロ等に相談窓口を設置。
・日EU・EPAも日本国内で説明会を順次実施、政府全体で既に60回以上説明の機会。
・RCEPは、これまでも交渉会合の機会に日本を含む各国の交渉関係者とNGO等との間で意見交換。
・適時適切な情報提供に努め、国民市民社会の御意見を丁寧に伺い、今後交渉に取り組む。

③国会での慎重審議
・TPPについては、昨年国会承認までに100時間以上にわたる審議。
・その過程において、昨年1月以降、国会議員の要望に応じ、合計約1700ページの資料を提供。

④情報提供については不断の改善に努めるつもり。


3、政府回答を受けての面談報告

①ウェブサイト等への情報公開について
市民側:TPPは4000ページ以上の資料公開というが、8000ページ以上あるはず。4000ページ資料の詳細は?

内閣官房:協定本文全てと附属書の各国共通部分は全て和訳。各国ごとの約束留保は約8,000ページ中の7,000ページを占めるが、日本に関する部分を和訳、その他はポイントのみ和訳し、国会にも提出。これまでのWTO(世界貿易機関)や日本個別の経済連携協定に倣っている。

市民側:日本に関わる部分は全て和訳済ということは理解した。
しかし、日本に直接関わりない附属書も含めて他国との比較をして初めて、日本政府の交渉スタンス、決着内容への評価が可能になる。協定本文と附属書の英文の表現が違った事例(日米交換書簡)もある。日本に直接関わりない附属書を含め、翻訳が必要なものが沢山ある

外務省経済連携課:膨大な附属書の和訳は、国会承認を受けるかどうかによる。政府としても悩ましい。

市民側:影響試算はいつ出すのか?

内閣官房:基本方針に基づきTPPと同様と考える。農水省が大綱を出し、農水省の定量的試算と内閣府の定性的要素を含むマクロ経済試算として統合する。国内対策によりどうモデルを設定するかで変わるので、試算数字は将来予想ではなく、あくまでも議論の参考だ。

市民側:通商協定ごとに影響試算・対策を策定する結果、長期戦略のないまま、次交渉でさらに譲歩、それを受けまたツギハギの対策と影響試算を策定…が続いているように見える。

市民側:交渉は交渉官だけでなく市民のものでもあり、民主主義の論理に従えば、公表が原則。相手側の発言・提案の公表は無理でも、日本側の提案は相手も分かっており、本当に差しさわりのあるもの以外は公表できるはず。大変になるのは分かるが「原則公表」は、民主主義のコストとしてやるべきだ。通商交渉は「市民のもの」だ。


<記者ブリーフィング及びその報告>
市民側:TPPでは首席交渉官会合クラスでは連日のブリーフィングがあり、内閣官房のサイトにその内容を即座にアップしていたが、その他の協定はされていない。なぜか。

外務省欧州連合経済室:公式会合については会見を実施していたが、昨年大枠合意に至らなかったので、今年はビデオ会議や交渉官の行き来など、非公式の会合を間断なく実施しており、公式記者会見のセッティングが難しかった。今後説明会等を充実させる等、改善につき検討したい。

内閣官房:TPP11は現在、11か国でいかに発効していくのか、その方策の協議であり、交渉ではない。11月APECで議論を総括すると合意しており、なんらかまとまったところではきちんと説明する。

市民側:TPP11では確かに「箱根高級事務レベル会合」、と交渉という言葉は使っていないが、報道では個別論点がでており、交渉の実質を持っている。最低でも12か国時と同様の努力をしてほしい。

<日EU・EPA>
市民側:日EU・EPAでEUは7月大枠合意即日に、交渉目標や獲得内容なども含めたファクトシートや協定本文を一定の達成点として公開。
EUは公開しており、信頼関係を損ねることにならず、公開可能なはず。

外務省欧州連合経済室:大枠合意とはいえテキストはまだ固まっていない。最終合意までに協定本文を公開する場合には、公開した後、修正が生じることによる混乱を招く可能性がある。しかし情報公開については努力の余地はある。

市民側:EU市民は情報オープンになっており、各国政府に意見を言う権利がある。一方、日本は意見があるなら「訳して読め」「日本政府の正式な公表でないのに意見を言われたら困る」という状況。交渉への、市民の意思の反映がアンフェア、圧倒的に不利だ。

市民側:EUは欧州議会の委任を受け、交渉の基本方針を決定し、公表した上で交渉。公開資料も圧倒的に日本より多い。日本の交渉経過報告は「日EU・EPAは箇条書き4項目全4行」「RCEPは箇条書き3項目4行」。交渉経過の情報に大きな落差

外務省欧州連合経済室:EUは主権国家の集合体で各国から委任を受けている。構造的に他国と違っており、公開度が高い。

市民側:それは言い訳だ。多くの国と比べて、日本の情報開示は劣っている。

外務省欧州連合経済室:情報公開を心していく。

市民側:現在のファクトシートでは、TPP時と比べても内容が読み取れない。合意まで、このままいくのか?特に酪農家は資産も大きく、今後の経営をどうすべきか、判断出来る内容になっていない。

外務省欧州連合経済室:TPPの大筋合意時と比べて交渉のまとまり度合が低く,大枠合意時点で出せる最大限のものが現在のファクトシートだった。長い協定文の中で整合性を取れるよう、精査が必要で時間が必要。しかし、まとまるまで今のファクトシートのまま,というのは不充分と考えており、より詳しいものを出すべく努力する。交渉がまとまれば、もっと詳しく出せる。

市民側:日本語も正文にするのか?

外務省欧州連合経済室:正文にするよう交渉している。

<TPP11>
内閣官房:記者ブリーフィングなどで交渉過程を情報提供しており、累計500P程度、HP掲載すみ。


②市民参加の説明会と意見聴取の実施

市民側:多くの説明会が開催されているとはいえ、業界団体向けが多くを占めているのでは?市民対象の説明会は?

外務省欧州連合経済室:外務省・TPP本部のみならず,農林水産省・財務省・経済産業省でも説明会を実施してきている。市民対象のものは8月札幌で実施した。引き続き開催するが、今後は検討中で未定。業界団体向けも、誰でも参加できる形で多く実施した。

市民側:札幌での説明会開催は日本農業新聞を見て知ったが、外務省HPには掲載されていない。業界団体であれば内部のルートで伝わるだろうが、市民には伝わらない。主管官庁にアクセスすればすべて分かるなど、市民も伝わるような工夫がほしい

外務省欧州連合経済室:地方説明会の準備について、地元の協力を得ながら進めている。外務省単独では地方外郭団体がなく実施が困難のため、都道府県の協力が必要になる。

市民側:市民も直接要請すれば実施可能か?

外務省欧州連合経済室:日程調整は必要だが検討することは可能
国内での説明について、地方に行く余裕があるか、誰が行くのか、関係省庁が多くなればアレンジが難しくなる面はある。人数的な制約等を踏まえて対応可能か検討する必要がある。窓口は、日EU・EPAについては外務省。
                    
<RCEP>
外務省経済連携課:全国的な説明会は実施できていないが、各国交渉関係者とNGOとの意見交換の場は設置。

市民側:神戸交渉会合中の説明会も、市民側が求めてやっと直前に実施が決定した有様。開催に前向きだと言えるか?インドの交渉会合時は、1か月以上前にインド市民団体も知っていた。他国と比べると、市民社会と日本政府の距離感があり問題だ。


③国会での慎重審議

<TPP11>
市民側:あくまでもアメリカが入らねばTPPは成立しないのか?
TPP11は、国会承認は必要か?

内閣官房:TPPはアメリカ無しでは成立せず、TPP11として別物を作っている。アメリカの受け入れ態勢も作っているが、あくまで11か国で発効させるための議論。新しい協定としての国会承認は、太平三原則の要件(※)がなければ必要ではなく、個別対応する。

※太平三原則
①国民の権利義務に係り、法律成立を要する条約
②財政支出を伴う条約
③国家間の基本的関係を規定する条約、は国会による承認を必要とする


 最後に以下の確認を市民側から提起した。
①本日の面談内容は、従来と同様、公表を予定しているので作成後政府にも送付し、内容を確認してもらうことを考えている(文書での回答は多分されないと承知するが)、②本日の面談内容を市民側でも検討し、再度文書を出すなり、面談の申し入れをしたいのでよろしくお願いしたい、③以上のことに関する窓口は、TPP政府対策本部と経済連携課と考えてよいか(これについては、それでよい、との回答があった)

以上

(文責:市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会)

2017年6月5日月曜日

経済連携協定などに関する情報公開要求への団体賛同呼び掛け


  
経済連携協定などに関する情報公開要求への団体賛同呼び掛け

TPPは、協定条文上は11ヶ国で無効化も修正も出来ず、米国を原署名国として引きずりながら休眠状態です。しかし、11ヶ国によるTPP再協議、日米経済対話、日欧EPA、RCEP、サービス貿易協定TISA等々、TPPを規範とするあるいはそれ以上の内容の経済連携協定は目白押しです。

しかも情報開示は全くなく、このままでは、国会にも市民にも全く情報が提供されないまま、TPP以上に問題の多い“協定”が、TPP12ヶ国を大きく超えて日本を含む参加各国を覆うことになります。日本に対しても、TPPによる「影響試算」で懸念された金額を大きく上回る影響をもたらすことは必至です。

H29年5月時点の政府資料。
早期妥結目標の日欧EPAですら概要版4ページのみ。
RCEP概要版は2ページ。TiSA概要版も2ページのみ。
保秘契約もないのに、これでは市民は判断できない。
平成24年TPP交渉参加前の政府資料。
(民主党政権時)。保秘契約があり、秘密交渉と
言われたTPPですらこのレベルは出ていた。

これまで多くの団体の皆さんと共に、政府に対してTPPの情報公開・市民参加の説明会を要求し、TPP政府対策本部との意見交換とその報告などに取り組んできた立場で、あらためて、皆さんと共に別紙の対政府要請文書に基づき情報公開と市民参加の説明会を実現すべく、賛同署名をお願いするものです。

なお、今般の情報公開要求は岸田外務大臣と石原内閣府特命担当大臣宛てとし、「11ヶ国TPP,日米経済対話、日欧EPA、RCEP、TISA、及びその他TPPを規範とする全ての経済連携協定」を対象に要求することを提案します。

また、当面6月30日(金)までを第一次集約として政府に提出し、賛同団体に報告するとともに継続的に賛同団体を募ることとしたいと考えています。是非賛同をお願いする次第です。

                               以上

【賛同いただける場合】
メール件名を「団体賛同」としていただくとともに、
①活動対象地域(都道府県・全国など) ②団体名 ③担当者名 ④連絡先メールアドレス
⑤団体名公開の可否
を記載し、muramachitpp【あっとまーく】gmail.com までお送りください。

【問合せ先及び連絡責任者】
担当:近藤(メールアドレス:mkykondo【あっとまーく】ybb.ne.jp )まで
※【あっとまーく】を@に変更してください。


※「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」は、2012年に以下の市民団体の呼びかけで、TPPに係る情報公開を求めて政府との3回の意見交換会(民主党政権時代)、2016年迄毎年賛同団体に呼び掛けての対政府情報公開要請とTPP政府対策本部との意見交換及びその報告などを中心に活動してきた緩やかなネットワ-クです。呼びかけ8団体に加え、全国9地域の実行委員会とで活動してきました。

これまでの経過と「実行委員会」について、詳しくは⇒http://tpp-dialogue.blogspot.jp/

左がRCEP,日欧EPA。右がTPP。
分野別交渉現状、慎重な検討を要する可能性など説明されている。



















<以下、政府への要請>
2017年8月
外務大臣 河野 太郎様
内閣府TPP担当大臣 茂木 敏充様

「経済連携協定」などに係る情報公開についての要請

TPPは、協定条文上は11ヶ国で無効化も修正も出来ず、米国を原署名国として引きずりながら休眠状態です。しかし、11ヶ国によるTPP再協議、日米経済対話、日欧EPA、RCEP、サービス貿易協定TISA等々、TPPを規範とするあるいはそれ以上の内容の経済連携協定は目白押しです。

しかも保秘義務契約も無いにも拘わらず情報開示は全くされず、この点は国内・海外において曲がりなりにも説明会が開催され、政府のウェッブサイトにおいても多少とも情報提供がされたTPPと比べても、著しく不充分で市民不在とも言える状況が続いています。

このままでは、国会にも市民にも全く情報が提供されないまま、TPP以上に私たちの暮らしや地域社会に大きな影響を与え、またTPPによる「影響試算」で懸念された金額を大きく上回る影響をもたらすことは必至です。

私たち、以下に記された諸団体は下記の3点を政府に対して要求するものです。下記要請に対して速やかに回答をお願いするとともに、その回答についての説明と意見交換の機会を賛同団体との間で持つことを要請します。


1.日米経済対話を含む全ての経済連携協定並びにそれに準ずる通商協定の内容及び交渉経過を所管官庁のウェッブサイトで公開すること

2.上記に関する市民参加の説明会を、交渉の行われる海外を含め可能な限り各地域で開催すると共に幅広く意見聴取を行うこと

3.併せて交渉内容・経過についての国会での慎重かつ丁寧な審議を保障すること

                                                                       以上

呼びかけ団体:「市民と政府のTPP意見交換会・全国実行委員会」
呼びかけ団体については⇒http://tpp-dialogue.blogspot.jp/p/blog-page_02.html



賛同団体(53団体:構成員300万人超
北海道 NPO法人北海道食の自給ネットワーク 
北海道 北海道農民連盟
岩手 岩手県生活協同組合連合会
茨城 協働まち研
東京 ふろむあーす & カフェオハナ
東京 Mamademo(ママデモ)
東京 特定非営利活動法人APLA
東京 特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)
東京 (認定NPO法人)国際協力NGOセンター(JANIC)
東京 特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
東京 東京都労働組合連合会(都労連)
東京 ATTAC Japan 首都圏
神奈川 神奈川県消費者団体連絡会
神奈川 食政策センター・ビジョン21
新潟 百姓勝手連
新潟 にいがた有機農業ネットワーク
新潟 百姓塾
愛知 特定非営利活動法人 名古屋NGOセンター
大阪 ATTAC関西グループ
大阪 特定非営利活動法人 AMネット
大阪 ほんまにええの?TPP大阪ネットワーク
大阪 特定非営利活動法人 関西NGO協議会
大阪 生活協同組合コープ自然派ピュア大阪
兵庫 生活協同組合コープ自然派兵庫
兵庫 神戸学生青年センター
兵庫 こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO
和歌山 生活協同組合コープ自然派和歌山
首都圏 ティナラク織の会「カフティ」
首都圏 東都生活協同組合
首都圏 全労協全国一般東京労働組合パルシステム職員評議会
首都圏 パルシステム生活協同組合連合会
全国 フォーラム平和・人権・環境
全国 TPPに反対する人々の運動
全国 特定非営利活動法人 アーユス仏教国際協力ネットワーク
全国 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)
全国 日本消費者連盟
全国 農民運動全国連合会
全国 全日本農民組合連合会
全国 緑の党グリーンズジャパン
全国 全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)
全国 全日本民主医療機関連合会
全国 全国労働組合連絡協議会(全労協)
全国 STOP TPP!! 市民アクション
全国 自治体農ネット 
全国 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
全国 ㈱大地を守る会
全国 TPP交渉差止・違憲訴訟の会
全国 特定非営利活動法人環境市民
全国 国際公務労連アジア太平洋地域事務所 (PSI-APRO)
全国 TPPプラスを許さない!全国共同行動
全国 TPP阻止国民会議
全国 全国労働組合総連合
全国 日本労働者協同組合連合会


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